実用性は確保した上で、更に+αをどれだけもっていけるかな、っていう。
Yuta Takahashi
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しこくらいふの高坂類と皆尾裕がWebを飛び出し、四国・新居浜の魅力をラジオで発信するHello!NEW新居浜FM78.0「ラジオしこくらいふ」
毎回地元で活躍するゲストを招き、しこく愛あふれるトークをお届けしています。
Webしこくらいふでは、しこく新居浜の魅力満載のラジオトークをダイジェストでご紹介します!
今回のゲストは四国中央市在住のグラフィックデザイナー・アートディレクターYuta Takahashiさんです。

皆尾:Hello!NEW新居浜LIVEをお聞きの皆さん、こんにちは。
月曜日のお昼は、私、皆尾裕とWEBマガズィーン「しこくらいふ」の髙坂類編集長とお送りしていきたいと思います。
髙坂さん、よろしくお願いします。

髙坂:よろしくお願いします。
「ラジオしこくらいふ」第19回になりました。
四国の魅力をクリエイターが発信する取り組み「しこくらいふ」を主宰しております、hinkDESIGN代表の髙坂類です。

皆尾:そして!今日は素敵なゲストをお招きしております。

髙坂:はい!今日のゲストは、愛媛県四国中央市に在住のグラフィックデザイナー・アートディレクターのYuta Takahashiさんです!
よろしくお願いします!

Takahashi:よろしくお願いしまーす。

髙坂:実は、Takahashiさんには第5回でゲストに来て頂いていたのですが、今回、国際的なデザイン賞を受賞されたということで、デザイン賞やイタリアでのお話など色々お伺いできればと思っております。
改めて、Takahashiさんのプロフィールをお伺いしてもよろしいでしょうか。

Takahashi:前回、出させて頂いた時は、髙坂さんと初対面でのラジオだったんですが…

髙坂:そうそう(笑)。
私は緊張してスーツを着てきてしまったという…(笑)。

Takahashi:あれから髙坂さんとは飲み仲間になって、ちょくちょく飲みに行く機会がありまして(笑)。

髙坂:はい(笑)。
色々お友達付き合いもさせて頂いております。

Takahashi:最後に一緒に飲んだのが3日…くらい前でしたっけ?(笑)

髙坂:そうですね(笑)。
お互いお酒好きということもあって。

Takahashi:そうですね。
お酒好きで、よく新居浜で飲みつつデザイン活動をやらせて頂いている…という感じの自己紹介で大丈夫でしょうか(笑)。

髙坂:それだと酒飲みのことが中心の自己紹介になっちゃいますので、デザインで世界を舞台に活躍されている部分もお願いします(笑)。

Takahashi:はい(笑)。
今年、イタリアのA’ Design Award(エーダッシュデザインアワード)というアワードに、3度目の出品をさせて頂いたんです。

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1年目の時は推薦と言いますか、アワードの方から「ノミネートの候補になってるんだけれども、どうされますか?」とご連絡を頂いて出品させて頂いたんですね。
1番初めのその年は、銅賞(ブロンズ)を頂きました。

それから、去年は僕が住んでいる土居町のお祭りのお礼品デザインで金賞(ゴールド)を頂き、今年は金賞の更に上のプラチナっていう最高賞を頂けました。

髙坂:最高賞受賞、おめでとうございます!
すごい順々に…(笑)。順調すぎる(笑)。
どんなもののデザインで受賞されたんですか?

Takahashi:今年はブックデザインで頂きました。

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著者はドイツの学者の方なんですけれども、東京の研究グループがその方を日本にお呼びして講演会を開いたんです。
1週間くらい朝から晩まで、みたいな。
そこで録り貯めたものを文字起こしして、書籍化したもののブックデザインを僕が手がけました。

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訳者兼通訳の竹下さんという方が香川の方で、すごく仲良くさせて頂いているんですけど、そこ繋がりでお話を頂いたんです。
「原稿が揃っている状態なので、本として出版したいんだけども、ブックデザインをお願いできますか。」ということで。

その研究グループは、それまでに2、3冊本を出したことがあったんですけれども、まぁ…「本になればいいや。」みたいな、そういうテイストで出していたんです。
でも、その原稿は重厚で、後世に残るような内容なので、本としての体裁もきちっと整えて出そう、となりました。

しかも専門書で、一般の書店に置いて何十万部、というような本ではないとそもそも分かっていたので、逆に、「本を新しい文化的な領域に、アートの中に持っていけるような、チャレンジできるような本を作りたいです。」ということを提案させて頂いて。

「じゃあちょっとやってみましょうか。」ということで出来た本だったりします。

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髙坂:完全に真っ黒な装丁ですよね。

Takahashi:チャコールグレーですね、実際は。

皆尾:Takahashiさんが本文のレイアウトも手がけられたんですか?
写真の配置だったり、図の配置だったり。

Takahashi:そうですね。文字構成も含めて全てさせて頂きました。

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その本は、トータルで400ページ近くあるんですけども、脚注も1章につき50個とかあって、8章ぐらいまである。あまりにも内容が複雑な本で…。

でも、10回ぐらい通しで読み込んで、「内容に対して本当に適切な新しいブックデザインはどんなものなんだろう?」ということを思いながら形にしていきました。

現代の人たちの普通の生活とか考え方が、実は伝統的な神話とすごくリンクしているということを解き明かしていく本なんですけど。

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去年、アワードの授賞式でイタリアに行った時に、「何かインスピレーションを得られないかな。」と考えながら教会とかを回ったりしていたので、今回の本のお話を頂いたのは感慨深かったですね。

皆尾:審査員の方々は日本語の本を見るわけですよね。
ブックデザインでは日本語の美しさとか、そういうものを意識されたりしているんですか?

Takahashi:そうですね。
もともとデザインをさせて頂く前はすごい本好きで、1日1冊とはさすがに言わないんですけれども、2、3日に1冊ぐらい読んでた時期が10年ぐらいあったので、本の読みやすさとか字面とかは、自分なりにすごいこだわっている所があると言いますか。

皆尾:やっぱり、本は読みやすくないと自分の中ではダメだ、という思いがある?
本の実用的な部分というか。

Takahashi:そうですね。
実用性は確保した上で、更に+αをどれだけもっていけるかな、っていう。

髙坂:Takahashiさんのブックデザインはどういった点が高い評価を得たんですか?

Takahashi:専門的な内容になっていくんですけれども…。
西洋で、昔から受け継がれてきた神話って、今の感覚からすると夢物語や昔話みたいな受け止められ方をするんですけど、実はそういった神話が今の僕たちの感覚とか、生活の仕方とか、考え方とか感じ方を、深く理解する助けになる…というのがその本の内容なんですけど。

その本を何回も読んでると、著者のデーブスさんが思考の扉を何重にも開けていくような感覚を覚えるんですね。
不可視の扉が開けられていく感覚と言いますか…。

僕たちからすると、神話って不透明なベールが何重にもかかったものという認識なんですが、本を読み進めるにつれて、デーブスさんの言葉によってその不透明なベールがどんどんどんどんはぎとられていく…という印象を強く受けたんです。

その印象をブックデザインとして表現できないかな、ということで、本の表紙に何重にも扉があるようなデザインにしました。

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その扉のモチーフが、実は「インスピレーションを求めてイタリアを回っていた」っていう所に繋がってくるんです。

西洋には、教会とかに「瞑想の回廊」っていう、四角の廊下があるんですよ。

どこまで回っても、円みたいに閉じているので、終わりがないじゃないですか。
なので、ずっと歩きっぱなしで考えれるので、いいよね、っていう(笑)。

皆尾・髙坂:(笑)

Takahashi:永遠にずっと回っていく「瞑想の回廊」のイメージと、何重にも開けられていく「思考の扉」のイメージをプラスしてブックデザインをすると面白いんじゃないのかな、と提案させて頂いて、OKが出ました。

髙坂:そのコンセプトが素晴らしいという評価を受けたということですか?
国が違って、文化も違う所で、そういう評価を受けられるってすごいですね。
本質を見極めて作られたということなのかな、と思いますけど。

Takahashi:まさかのプラチナを頂きました(笑)。

最初に、Webで受賞作品の発表があるんですよ。
最高賞のプラチナが1番上に載ってて、次に、ゴールド、シルバー、ブロンズ…となるんですけども、「まぁ、去年ゴールド頂いてるので、いってもゴールドかな。」って感覚で、頭の方はスルーして見てたんですよね。
で、ゴールドのところ全部見ても無いし、「うわぁ…。」と思って、ス―――っと上の方にいったら、1番上のプラチナの所に名前がピロって出てて、「えっ?」って思って(笑)。

で、見たらそこにあったという(笑)。

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髙坂:イタリアには何日間くらい行かれてたんですか?

Takahashi:6月27日に日本を発ちまして、7月5日に帰って来たので、8日かそれぐらいですかね。

髙坂:授賞式の前後でイタリアを周遊したりもされたんですか?

Takahashi:はい。

髙坂:3回目のイタリアはいかがでしたか?

Takahashi:大好きですね。

そんなにヨーロッパ行ったことはないんですけども、ドイツとスイスとフランスとイタリアに行った中で、イタリアは本当に1番肌に合っているといいますか。

髙坂:どういう所が?

Takahashi:まず、料理が美味しい(笑)。そこ重要じゃないですか(笑)。

髙坂:大事ですよね(笑)。

Takahashi:食べるものがない、っていうよりも、やっぱり色んな種類が食べれた方が嬉しいですし、初めに言っていたようにお酒が好きなので、ワインとかも楽しめる。

あと景観もきれいなので本当に大好きです。

授賞式がある所がコモ湖っていう所でして、ミラノから電車で北に30分ぐらいの、イタリアでは有名な避暑地で。軽井沢みたいな。
所謂セレブみたいな方がバカンスに訪れるような所なので治安もいいですし、すべての意味で「また来年も来たいな。」って思える所なんですよね。

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髙坂:そうですね。また来年も行けるように(笑)。
アワードへのノミネートは毎年しても構わないんですか?

Takahashi:そうですね。

髙坂:常連の受賞者の方もいたりするんですか?

Takahashi:いらっしゃいますね。

髙坂:日本人の方は?

Takahashi:日本人もいるのはいるんですけども、すごくカテゴリーが幅広いので…。
建築から始まって、インテリアだとか、プロダクトデザインだとか…。
色々見てると、豪華客船のデザイン部門もあるんですよね。

髙坂:へぇ~~~!
すごく幅広いんですね。

Takahashi:医療機器の部門だとか。

髙坂:へぇ~~~。
医療機器の部門だとどういう感じなんですか?

Takahashi:僕もあんまり詳しくは分からないんですけど、今回受賞してた作品だと、人間の体の内部を色がついた状態で、リアルタイムで撮影できる、みたいな機器があったりだとか。

髙坂:ふ~~~~ん…!

皆尾:だから…あとは胃カメラとか。

Takahashi・髙坂:(笑)

髙坂:でも、そういった機器類のデザインとなると、機器の構造とデザインの境界があいまいになっていきますよね。
そうなると、どういう風に評価されて賞が決まるんだろう、と思ったのですが…。

Takahashi:どちらかというと、海外の方が機能とデザインが結びついてるかもしれないですね。
日本的だとは言わないんですが、一般的には、「見た目だとかそういう所を整えるのがデザイン」と思われがちだと思うんですけれども、海外のデザインはその領域じゃないと言いますか。
本当に、機能と見た目の両軸が完璧に一致する所を目指していますね。

皆尾:まぁ、変な話、例えばダイソンの掃除機を初めて見た時は、「あ、掃除機がこんな形をしてるんだ、ドイツは。」と思いますよね。
日本の白物家電のイメージとは全然違うという印象がありますけど。

髙坂:日本では、表層を整えるということを大事にして見掛け倒しになってしまっているというか。
そういうギャップがあるので、なんかおしゃれなものって、「中身が伴ってないんじゃないか。」と疑ってかかってしまうような所があるぐらいなんですよ、私は。

皆尾:なんか、機能的なものが美しいというか。そういう逆説的な所を思いましたけど。

髙坂:機能的なものが美しい、デザイン的にも優れている、という前提が日本にはなくないですか?
見た目はいいけど、機能としてはあんまり…っていう。

Takahashi:車のデザインとかに特によく現れてるなと思います。

日本の車って機能重視だったりするじゃないですか。
面白いことに、日本の車って、内側をどれだけ広くできるか、内側からどれだけ広がっていくか、ということを重要視している。

そんな日本の車を海外に持っていくと、絶対に戦えないじゃないですか。全く相手にされてなくて。

特にイタリア車とかそうですけど、海外の車は徹底的にスタイリングを重視しています。
外から見た時の美しさ。流線型の美しさ。
で、中に乗ってる方はものすごく窮屈に座ってる(笑)。

そういった所に、文化性や国民性の違いがあるんですが、海外に行くと、それが如実に感じられるんですね。

海外に行って、「あぁ…!そういうことか!」っていうのを感じられるのが、すごく新しかったり嬉しかったりしますね。

年に何回か海外に行っているのは、そういう新しい感覚を感じ取りに行くっていう所がすごく大きいです。

髙坂:今回のイタリアではどんな新しい刺激がありましたか?

Takahashi:コモで授賞式が終わった後、1度ミラノに戻りまして。
それから、高速鉄道でベネチアに行ったんです。初ベネチア。

去年も「ベネチアってどんな感じかな?」って行きたかったんですけど。
去年はちょっと行けなくて断念したんです。二日酔いで(笑)。

髙坂:(笑)

Takahashi:「今年は絶対行こう。」と思ってベネチアに行ったんですけども、ちょっともう絶句っていうか、言葉が全くでないぐらいビックリしましたね、本当。

ベネチアって、死ぬまでに1回行くべき都市って言われるじゃないですか。
実際に行って、本当にそう思いました。

僕の個人的な言葉で表現すると、「狂ってる」っていう言葉が多分1番正しいと思うくらい、芸術の狂い咲きなんです。

皆尾:なんか、一般的には水の都っていうイメージですけどね。

髙坂:あっ、そうですよね。
そんなにガーーーン!!!ってイメージではないと思っていたんですけど(笑)。

Takahashi:ガーーーン!!!でしたね(笑)。


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